私のホームページをご覧になり、メールを下さったお方、大勢御座いましたが、女性のお方からは2004年1月22日、兵庫県にお住いの Kiyomi さんというお方からのが一番最初でした。

それより4年余りを経た2008年4月20日、舘 量子さんから以下のような最初のメールが届き、それ以来一ヶ月余りの間に10通以上ものメールがあり、「お爺ちゃん」 と呼ばれています。

そして5月25日にお逢いし、「
日本人の若者へのメッセージ」なんてたいそれた建言はなにも出来ませんでしたが、しかし屏東の仲間たちと一緒に楽しく一日を過ごしました。

付記:

量子さんの誕生日は1982年の629日と聞いていた。アメリカに居る孫娘も同じ年の6月生まれだと覚えてはいたが日にちは分からない、今日電話で娘に聞いてみたら628日だという、ああ一日違いだなぁーと、思ったが直ぐにアメリカと日本とは時差により日付が一日違うから同じ日である事に気が付き驚いた。本当に縁が深い!                                                        2008年06月02日


郭徳発様

初めまして。突然のメール失礼いたします。
本日初めて、郭様のホームページを拝見させていただきました。大変感銘を受けました。感動のあまり、涙が止まりませんでした。私は現在高雄に住んでおります、25歳の日本人女性です。突然ではありますが、私のことをお話させてください。
 
私は、現在高雄で働いております。高雄へは昨年の9月にやって参りました。
勝手ではありますが、私が台湾へ参りました理由をここで少々お話させてください。

私の台湾との出会いは大学時代の研修でした。今から5年前、20歳の時でした。
台湾との出会い、台湾のお年寄りの方々との出会いは私の人生を大きく変えてくれました。

それまでの私は、自分の国について考えたこともなく、それまでに受けた教育の影響もありましょうか、お恥ずかしいことではありますが、自分は日本人であるのに日本が嫌いだとも思っておりました。その上、当時の私は将来の夢もなく、ただ毎日をなんとなく過ごしているだけの「最近の若者は」と言われるような若者の一人でした。

しかし、台湾の方々はそんな夢も希望も自信をもなくした私に「自信を持っていいんだよ。日本人は大丈夫!」そう言ってくださいました。私は涙が止まりませんでした。
この言葉はきっと、ずっと心の底で誰かに言ってほしかった言葉だったのだと思います。

台湾の方々のおかげで、私は生きる希望を持つことができました。日本人としての誇りを取り戻すことができました。日本を愛するという最も大切なことを台湾の方々が教えてくださいました。

台湾と出会い、こんなにも貴重な経験をさせていただいた私は、この経験を多くの日本人に伝えたい、伝えなければならないと思いました。もちろん、私のようなものが一人でそんなことを考えても、何にもならないことは重々承知しております。
しかし、私と同じ気持ちになってくれる日本人がほんの少しだけでも増えれば嬉しいと思い、このことを実現させたいと考えるようになりました。

ところが、どうしたら多くの日本人に伝えられるだろうかと悩むばかりで、ずっと何もできずにおりました。それに、私が経験した2週間の台湾研修での出来事、本で読んだだけの知識を他の人に言うだけでは、人の心には響かない、深く伝えられないと思いました。


ではどうしたらよいだろうかと考えたときに、やはり、自分が経験してこそ、自分の言葉が重みのあるものとなり、相手に深く伝えることができるのではないかと考えるようになりました。

私が実際に台湾に住み、台湾の生活を経験して、台湾の方々から直接聞いたお話ならば、きっと相手にも伝わる。そう考えました。
台湾の方々から、たくさんお話を聞き、そこでいただいたメッセージを日本へ持ち帰り、少しでも多くの人に伝えていこう、そう思い、将来は何が何でも台湾で働きたいという夢を持ち始めました。

大学を卒業し、すぐにでも台湾へ参るつもりでしたが、私のような者が突然台湾へ行ったところで、何ができるだろうか。全く自信がありませんでした。
台湾の方がこんな私にお話をしてくださるだろうかという不安でいっぱいでした。そして当時の私はこう考えました。
台湾の方々からお話を聞き、私がその話をしっかり受け止められる人間にならなくてはいけないと。そう考えた私は、台湾のお年寄りの方々の気持ちに少しでも近づきたい、そう思い、すぐにでも行きたかった台湾への気持ちを抑え、大学卒業後、陸上自衛隊へ入隊いたしました。そして2年間の任期を満了し、このたび台湾へやって参りました。
もちろん、この2年間で、台湾の方々の苦しみが分かったなどということを思ってはおりません。それはとんでもないことです。ただ、自衛隊での訓練中、自分の気持ちに負けてしまいそうなときには、台湾の方々のことを考え、歯をくいしばって訓練を乗り越えてきたことは事実です。

郭様、初めてメール差し上げるなかで、こんなことを申し上げるのは大変恐縮でありますが、お許しいただけるならば、どうか郭様にお目にかかりたいと存じております。台湾の方々からお話が聞きたいという一心で参りました為、何も知らない、あまりの無知さに郭様を驚かせてしまうかもしれないような私ではありますが、どうか、この私に郭様のお話を聞かせていただけませんでしょうか。日本人の若者は今とても悩んでおります。自分の国、自分が日本人だということに誇りが持てず、精神が崩壊しかけています。


今の日本人には、郭様のような方からの言葉が必要です。どうか、どうか、郭様のお言葉をください。日本人の若者へのメッセージをください。私はどんなお言葉でも受け止める所存です。

初めてのメールにもかかわらず、勝手なことをたくさん申し上げました失礼をどうかお許しください。本当に勝手なことばかり申し上げてしまったうえに、まことに恐縮ではございますが、ご連絡いただけたなら、幸いに存じます。


台湾はだんだんと暖かくなってまいりましたが、どうぞ御身体ご自愛くださいませ。
突然のメール失礼いたしました。

舘 量子  2008年4月20日

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