*3月6日
午前中、北投温泉のホテル水美温泉会館を発ち、先ず、淡水河口に建つ史蹟紅毛城を訪れる。紅毛城は1629年スペイン人により建てられたが、1642年オランダ人から駆逐され、更にイギリスが領事館として占拠、1980年漸く台湾政府所有となった史蹟である。
紅毛城見学後、台北市内に向かい、圓山大飯店にて豪華な昼食を摂り、アポイント時間の13時40分台湾政府農業委員会(農林水産省)に到着、蘇嘉全農林水産大臣を表敬訪問。蘇閣下は、「屏東県長以来毎年屏東会の皆さんにお会いできて嬉しい」と歓迎挨拶をされ、台湾農業の振興政策を説明して下さる。
蘇嘉全閣下を表敬訪問後、故旧博物院を訪れ、中国の秘宝を観賞。夕刻、宿舎の晶華酒店にチェックインする。夜の自由行動時間に、1昨年宮崎県の台湾蓬莱会に招待した旧知の屏東出身紀啓生さんから、台北随一の台湾料理店「欣葉」に招待される。
最近の美味しい台湾料理の数々を初め、懐かしい幼なかりし日の味、日本の山菜おこわに似た「ビーコ」や「ユーチャーコエ(台湾揚げパン)」を杏仁豆腐味がする甘い「ミンテー」に浸して食べ、すっかり60年昔にタイムスリップして大満足。家内は、紀さんが懇意にしてる支配人から、立派なカラー写真入りの日本文の台湾料理レシピ集を贈呈され大喜び、台湾最後の夜は更けてゆく。
小生夫婦を除く同期生一同は、岩花君が案内して商社勤務の現役時代に台北駐在当時、行きつけだった台湾料理店に出かけた模様であった。
*3月7日
今日は、いよいよ生まれ故郷台湾を離れる日である。そこはかとなく、郷愁に似た感傷が胸をよぎる。午前中は、とって置きの観光イベント、世界一の高さ507bの101オフイスビルの屋上展望台へと向かう。昨日来の雨も漸く上がり、何とか展望が利きそうである。来てみると、さすが世界一、先年、ニューヨークを訪れたときに、エンパイアステートビルの展望台から見た景観とは、雲泥の差である。
現地の観光案内人は、自慢そうに、「建設業者のなかに、日本の鹿島、大林、清水などの最大手も加わっており、世界最高速の エレベーターは、東芝製である」と説明。今日は天気があまり良くなく残念ながら新高山は見ることができなかった。昼食は、台北名物の石鍋料理である。
昼食後、最後のスーベニアショップに立ち寄り、桃園の台北国際空港に向かい、生涯の感激を味わった「甲子遅れの卒業式」、ふるさと屏東の人々との温かい交流と久闊を叙した至福のひととき、大勢の小学校同期生と巡った温泉旅行の楽しい数々の想い出を胸に秘めて帰国の途に着いた。
以上をもちまして千秋楽。